あなたに包まれて
吐息を合わせる度
本当に
一つになれるんじゃないかって
そう思えてくるんだよ。
そんな愛しい夜。
もういいよって
あっけなく君が言うから
わかったって
微笑むまでの間に
殺した言葉の数だけ憎めたら
僕たちは救われたかな。
なぞるように
辿るように
恋を想い出す。
純粋故に狂っていた僕たちは
愛し方なんて知らなかったね。
忘れないと言った恋を
あっけなく忘れたのはどっちだったかな
ねえ、今度は
目の前で首を掻っ切ってみようか
鮮やかな赤を
君は忘れないだろう。
永遠じゃない
いつ幕が下ろされるかもわからない
真っ暗な恋
だから今日も
好きだって言うよ。
ひどいことを言う
きみは嫌い
だから今夜は
口付けてやらない。
悲しみに慣れたら
後は忘れるだけだね。
一度だけ痛むのは
君のせい。
愛されるたびに、思い知らされるんだ。
あの日僕を殺した言葉
繋いだ手の優しさ
泣いてしまいたかった月のない夜
それでもまだ、埋まらない空白があることに。
不釣合いな指先から
満天の星が零れ落ちる。
そんな奇跡のそばで
僕は静かに、終わりを知ってしまう。
「愛しい」という言葉の意味を知ろうともしなかった。
だから君は「かなしいね」と呟いた。
あんたが残した愛の重さに耐え切れないから
このまま恋に堕ちてもいいか?
悲しいだけの綺麗な歌でもなく
穏やかで空虚な言葉でもない
躯が引き千切られる痛み
それはまるで恋のようだと
血を吐くような想いで、
たとえばもし
ぼくがいなくなっても
きみはなんともないかおで
だれかに愛をささやけばいいよ。
ただ、月がきれいなよるは
ひとり、ぼくを想ってね。
目を瞑って
懺悔する間もなく
涙は渇いてしまうだろう。
名もない夜が来て
僕が狂ってしまう前に
赦して、なんて言わないから
どうか愛してくれないか。
届かない
傲慢な願いを
打ち消す雨音
空気は一層悲しさを増して
こんな夜に
逢いたい温もりさえ知らない。
祈るにはまだ
この指は拙くて
悲しい旋律に
溺れていくだけ。
こんな朝に
呼ぶ名前も知らない。
君だけに
秘密をあげよう。
いなくなる僕を想って
優しいあの人が悲しまないように。
愛してる。
ずっと愛してるよ。
君を傷付けるためだけに
口付けをした。
残ったのは
空っぽの部屋と
腫れ上がった恋と。
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