十月の雨

2006年10月15日 特別
 月が傾いた夜に
 独り善がりな愛は見透かされた。
 十月の雨は僕らを冷たくするばかりで
 そこに救いなんてなかったね。

赤い靴

2006年9月23日
 窮屈な靴に押し込めた
 臆病な私
 何も刻まれなかった肌を
 掻き毟った爪痕が赤く腫れ上がって
 まるで出来の悪い悪夢みたい。
 見たくもないので、死ぬまで踊るわ。

忘れないで

2006年9月18日
 たとえばもし
 ぼくがいなくなっても
 きみはなんともないかおで
 だれかに愛をささやけばいいよ。
 ただ、月がきれいなよるは
 ひとり、ぼくを想ってね。

ユダ

2006年9月10日
 目を瞑って
 懺悔する間もなく
 涙は渇いてしまうだろう。
 名もない夜が来て
 僕が狂ってしまう前に
 赦して、なんて言わないから
 どうか愛してくれないか。

濡れた頬

2006年9月9日
 届かない
 傲慢な願いを
 打ち消す雨音
 空気は一層悲しさを増して
 こんな夜に
 逢いたい温もりさえ知らない。

渇いた涙

2006年9月4日
 祈るにはまだ
 この指は拙くて
 悲しい旋律に
 溺れていくだけ。
 こんな朝に
 呼ぶ名前も知らない。

しあわせな終わり

2006年9月1日
 君だけに
 秘密をあげよう。
 いなくなる僕を想って
 優しいあの人が悲しまないように。
 愛してる。
 ずっと愛してるよ。

悲愴

2006年8月31日
 遠くから呼ぶ声が
 悲しく響いて僕に届く。
 ごめんね。
 こんな寒い夜に
 君の指さえもう温めてあげられない。
 干からびた咽喉からは
 もう息すら出ないけど。

散った花弁

2006年8月28日
 君を傷付けるためだけに
 口付けをした。
 残ったのは
 空っぽの部屋と
 腫れ上がった恋と。

独白

2006年8月24日 独白
 からっぽの胃に
 愛の歌を詰め込めば
 心は満たされるかな。

花鋏

2006年8月8日
 震える背中を
 優しく撫でるのは
 さっき花を摘んだ手。
 いつか僕を散らすものだと
 知っていたよ。

星月夜

2006年7月25日
 涙が止まらない
 星の綺麗な夜に
 繋いだ手の温かさを
 今でもそっと想い出すよ。
 ひとりでうまく泣けなくなったのは
 冷えてしまった指先のせい。

ゆるやかに

2006年7月17日
 誰にも合わせない
 誰も追いつけない
 自分だけの歩幅で歩く
 あなたの速さが好きでした。

悪癖

2006年7月12日
 名前を呼ばない声に
 苛立つ足音
 手を伸ばさないのは
 その爪が
 嫉妬で歪んでいるから
 僕と同じだね。

ままごと

2006年7月2日
 祈ることを止めた指で
 優しく髪を撫でる。
 それだけで恋に落ちることを
 君は知らないね。

狂気

2006年6月23日
 理解して欲しいわけじゃない。
 ただ、静かに崩れていく私を
 優しいその瞳に
 映してほしいだけ。

朱夏

2006年6月7日
 結局分かり合えなかった
 君の涙と僕の指先
 それでも僕は待ってるよ
 いつかの夢の続きを
 まどろみに酔いながら
 静かに死んでゆく
 光の咲いた庭で。

独白

2006年6月5日 独白
 忘れないと、願ったことすら
 君は忘れていくんだろう。
 そして、君が誰かに忘れられたとき
 やっと想い出すんだね。

光の指

2006年6月2日
 僕を覆い隠したあなたの爪には
 いつも光が宿っていた。
 その指先が、優しく触れて
 僕の輪郭を正してくれる。
 いつになったら僕は
 あなたと一つになれるんだろう。

水面下

2006年5月28日
 緩やかに死んでゆく
 想い出と心臓
 褪せてゆく景色を
 美しいと思う
 この瞳はもう壊れてる。
 鮮やかなのは
 網膜に残る夢の残像
 穏やかに笑う君に
 どうか永遠を刻みたい。

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