あなたの大切な宝箱
鍵を掛けるその瞬間に
僕の欠片でも思い出してくれたらと
冷たい音に祈りを込めた。
忘れようと
すればするほど
あなたの欠片は集まって
途方に暮れてしまいました。
僕が見えないと言うのなら
大事なものを抱えてるその腕を
あっけなく解いてごらんよ。
窓から差し込む
熱情を孕んだ
燃える赤を映した瞳に奪われた
僕の心。
どうしようもなかったあの恋は
まだ胸に閉まっておく。
願うことを忘れたこの手は
君の瞳に
どれほど綺麗に見えるんだろう。
どうか優しく握り締めないで。
どうしようもない恋で汚れてしまうから。
音が、光が煩いのに
瞳が、耳が欲しがってる。
でないとあなたの声で発狂するから。
怯えた瞳で
縋り付かれた僕を
どうか憐れな子羊だと
誰か笑って。
あなたは綺麗な翠色
目にとても優しいから
涙は頬を伝ってしまった。
ふざけ合って、じゃれ合って
笑い合っているのに
瞳がそれ以上を許さない
これを距離というならば
何て遠い。
暴れていいよ
ばらばらに壊すから
そして僕の理想に創り直すよ。
それはもう君じゃないと
僕はまた壊すけど。
生温い風に
体が融けてしまう
消える前に
どうか掴んで
逃げないように
縫い付けてもいいから。
握り潰された
君の涙で
赤く濡れた月
僕の両手も
あの色に染まればいい。
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