肌を撫でるような風に
あなたを見つけて
空を仰ぐ。
僕だけが透明で
僕だけが遠くて
僕だけが独りで
僕だけ近付けない。
夜が明けても
僕は何も変わらなくて
窓から見える空だけが
僕の自由でした。
素直じゃない君は
伸ばしたい手を強く握り
口を結んで
諦めたように微笑む。
乾いた欲望に
愛の水を一滴。
潤いを知った欲望は
更に愛を求めて
永遠に乾き続ける。
離れていく背中に
思わず叫んだ私を
腕に縋りついた私を
あなたは、楽しそうに笑って。
時々、君の指先にたまらなく触れたいと思う
この酷い痛みは、僕だけの痛み。
今日もまた空が泣いています。
そういえばあの日も雨でしたね。
あなたはきっともう覚えていないでしょうが。
穏やかな笑みを浮かべているけど
ほら、指が震えてる。
堕ちるとわかっていても
汚し合う事しか出来なかったけど
愛されなくても、愛そうと思った。
透明な髪の君が
身体中に黒い痣を付けて
白い綺麗な目から
黒い涙流して
黒い太陽が
君を飲み込んで行くようだった。
黒い夜が明けて
真っ白な朝日に目は眩んで
君のいない世界は
何時までも灰色のまま。
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