朝の光で
空と海は融け合わさって
そして世界は一つに。
また明日を生きるために
今日もあなたに殺されに行くよ。
熟れた傷口に
決して優しくない口付け
冷たい視線は
真実だけを語り
欲しいものは、更に遠くへ。
それでも
痕の付いた体を引き摺り
決して甘くない痛みを求め
今日もあなたの処へ。
白に埋もれれば
自分も染まるなんて
都合のいい絵空事。
記憶はどんどん美化されて
目を覆ってしまう衝動はいつも。
届かない筈なのに
伸ばしてしまう手が浅ましくて
優しい拒絶の言葉が欲しいと
あなたの名前を叫びたくなる衝動は、いつも。
平等な優しさは
希望のない絶望に似て
とても残酷なものです。
死にたい衝動は
いつも隣り合わせ
それでも、縋り付いてしまうのは
世界が綺麗過ぎるから。
目を閉じる寸前に見たものが
あなたにとって幸せなもので
安らかに眠ったことを
願うばかりです。
久しぶりに見た
酷く甘い夢。
甘すぎて
目が醒めた後
苦い余韻が残った。
あなたの愛はとても痛いから
感覚なんてとうに痺れてしまって
何も感じない。
口先だけの戯言なのに
罪悪感が芽生えるのは
あなたの白さが
余りに眩し過ぎるから。
甘いだけの睦言を
子守歌代わりにして
それでも心の指す方向が
変わることは無いから
永遠は在るのだと思うのです。
救われたいなんて祈りは
皮肉なほど嘆きに聞こえて
絶対的な絶望を渇望している私は
きっと救われない。
忘れるなんて、出来ない。
だってあなたは
二度も愛を囁かない。
背を向けて歩く君は
手に入らない空に似て
いつまでも僕は
空を映す海のまま。
冷たい唇滑らせて
鋭い愛を光らせて
深い傷を負わせて
痛みさえ忘れた僕は
ただ愛されたかっただけ。
ナイフみたいな鋭い愛で
乾いた傷口を抉って
束縛の証刻み込む君を
愛してしまっている僕は
やっぱり病んでいるんだと思う。
世界は生温い柔らかい闇に包まれているから
君に差し出したこの手が
どんなに残酷かなんて
きっとわからない。
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