希望を自分で踏み潰してゆく音は
とても耳障りだけど
手に入ることはないのだから
これでよかったのです。これで。
もう一度忘れよう。
もう二度と想い出さないように。
今度会ったらきっと
泣いてしまうだろうから。
頑張って、忘れたふりして
笑っていたけど
もう限界みたいです。
悲しいことに
僕たちの間には
空の涙と
腕を伸ばした分だけの
届かない距離があるので
君の顔が見えません。
夢のような浮遊感
世界は流れるように色褪せて
鮮やかなのはただ一人。
落ちていく感覚に
快楽さえ覚えながら
底にいるあなたの笑顔に
目を奪われる。
僕はあなたの涙を知っている。
だけど僕の悲しみは誰も知らない。
僕はあなたを愛している。
この絶望を誰も知らない。
もう忘れてしまいたいけど
あなたは隣で微笑っているから
忘れられなくて
だけどそれでは
心が死んでしまいそうになるから
忘れたいと願うのです。
花になれたら
愛でてくれただろうか。
躊躇無く手折られただろうか。
それとも
微笑い掛けてくれただろうか。
綺麗な世界しか映さないこの眼じゃ
もう空を仰ぐことも出来ない。
あなたに愛された想い出を胸に
僕は君を愛し続ける。
時々君のこと
こうやって想い出してあげるから
だから今だけは
どうか消えて。
目を隠して暗闇を教えてくれたなら
どうして耳は塞いでくれないの。
縋り付けないとわかっていてあなたは
その両手を優しく広げてみせるのね。
あなたの誤算は
私があなたの手を
温かいと感じてしまったこと。
あなたが溶けた空の青が
目に焼き付いて
もう空の青ささえわからない。
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